
研修旅行アラカルト
「はじめに」 「研修経費について」 「バンコク到着と滞在」 「服装」 「セレモニー」 「ワイ」 「村での滞在」 「健康」 「食事、水事情」 「僧への喜捨」 「素人の見た農業事情」 「奨学生との面会」 「参考文献」
私もタイ王国の現地研修旅行へ参加する前には研修の実際について全くの無知でした。従って、全く白紙の状態で最初の研修旅行(1998年11月)に参加いたしました。直接の参加動機は、たまたまその年の研修が私が支援している奨学生の県であったこと。また、タイ王国を訪ねてみたいと常々思っていた程度の軽い理由でした。内容については全く想像出来なかったわけです。会員の方々からも度々研修旅行について質問を受けることがあり、それならばと、このページを利用して手がかり程度の解説をしようと思い立ちました。未だ経験不足ですが参考になれば幸いです。また、多くの奨学金提供者(ドナー)の方々も研修に参加し、現地の状況を見聞していただきたいと思います。ただ、研修の具体的な手順、内容、画像などは民際発足当時からのドナーである中溝さん(神奈川県)のHP「喜庵−参加してみた海外協力NGO」にてより詳しく知ることが出来ると思います。
研修旅行の申し込みの際、家族からはその経費(約18万円)で別の奨学生支援を行ったほうが良いのではとの意見もあり、「後ろめたさ」の様な想いが出発するまで心の隅に残っておりました。しかし、実際研修に経験してみてその考えは正しくなかったことが理解されました。
この研修にて民際交流センター東京事務局およびバンコクの(財)開発教育基金(EDF)
のスタッフ、あるいは現地の教育委員会や学校の先生達、そして自分の奨学生や両親に実際お会いし、奨学金システムの全貌と、その本当の意味を正しく認識することが出来ましたし、「ダルニー奨学金」に関する種々の苦労や問題点、あるいは展望なども正確に肌で知ることができました。それにも増して、奨学生達の生活するイサーン(タイ東北部)の現状を自分の目と足で知ることが出来たことは私自身には何にも代え難い大きな収穫となりました。実際研修旅行に参加していなかったならば、「ダルニー奨学金」に対する正しいな認識もなく、また、連絡会世話人(雑用係)なども引き受けることはなかった様に感じています。
日本民際交流センターの代表、秋尾晃正氏が「ダルニー奨学金」を創設した経緯にも現地イサーン訪問が「必須」であったことが改めて頷けるイサーン訪問でした。(タイ王国地図はここをクリック)
前置きが長くなりました。研修に参加されたドナーの方々それぞれで感慨は異なるのでしょうが、私なりの感想と独断意見を含めて研修旅行を「中溝さんのHP」とは異なる観点から紹介したいと思います。
巷で宣伝されるタイ観光パックツアーなどと比べて割高なのは、訪問する現地が観光ルートから外れる事がその第1の理由に挙げられます。中継地から現地までの移動の為の足(レンタカーなど)とドライバーの確保にはEDFは勿論、現地の教育委員会の先生方の尽力に頼らざるをえません。また、県知事の表敬訪問の際の記念品、学校あるいは奨学生の村への訪問の際のプレゼント(主に学用品)や奨学生や先生達との会食経費、村での民家滞在経費(食事、飲料水、日用品経費、謝礼その他など)も別個に参加者が負担せざるを得ないからです。その他にも通訳経費、連絡経費、雑費等がかかります。勿論これらにタイ日本往復旅費、タイ国内航空(鉄道)運賃、ホテル滞在費(4〜5泊)が加わります。なお、蛇足ですがタイ国内での食事の際の飲酒経費はこれとは別個に現地で徴収されます。
日本民際交流センターあるいはEDFも決して余分で豊富な資金を持ちません。また、
学校や村、生徒にも勿論負担は一切かけられません。従って、経済先進国日本からの参加ドナーがこれらを負担することとなる訳です。剰余金が出た場合には参加者の承諾を得た後、事務局によって適切に処理されます。研修参加者はこれら経費運営への理解がまず必要となります。
旅行に必要な手続きは事務局の複数のベテラン民際同行員によって手抜かり無く行われます。海外が初めてのドナーでも心配はありません。成田空港まで無事たどり着けば後は心配ないように思います。実際、多くの高齢、年少のドナー(確か上は7X歳、下は13歳)がお一人でも参加しておりました。参加人数は現地での滞在の都合などにより20〜24名程度に限られているようです。現地では更に2班に別れての別個の学校および奨学生の村訪問となります。
民際事務局よりの追加:民間のパックツアーとの価格の差については他のパックツアーは利用するホテル、お土産屋、航空会社等からバックマージンが入るので安いのですが、私共は特定の業者との癒着を避けてバックバージンを受取らないので割高になってしまいます。また、余ったお金はCタイプの奨学金にしますが、ちなみに1999年11月旅行は赤字でした。
観光旅行ではありませんので、研修日程は混んでおります。バンコク到着翌朝には民際およびEDFスタッフによる現地の状況説明などのオリエンテーション兼会議が予定されており、当日は会議終了から夕食までの数時間を滞在ホテル近辺の散策に使える程度です。なお、観光は研修終了後に2日間程(バンコクおよび現地)組み入れられておりますので、後日の楽しみにとっておかれると良いと思います。また、研修日程前後にタイ国滞在日数を個別に延長するなども可能ではあります。ただし、その間は民際事務局には頼れず、個人にて責任をもって総てをアレンジしなければなりません。
喫煙者はバンコクでは注意が必要です。公共の場では多くの場合禁煙ですし、路上でのタバコの投げ捨てなどは運悪く警察官に見つかると「罰金刑」です。携帯灰皿をお忘れ無く!さる方の話では、喫煙する日本人は警察官の「カモ?」だそうです。
イサーンへは空路および陸路(鉄道、マイクロバス)にて半日がかりの移動です。移動中あるいは自由行動中には自由な服装で良いのでしょうが、翌日には県知事表敬訪問や学校訪問、奨学生との面談などもあり、服装は正装(最低限ワイシャツ&ネクタイ、ブラウス&スカート)が必要です。タイの人達は服装(外形)に非常に拘ります。ラフであったり奇抜であったりする客人の服装を咎(とが)めたり諌(いさ)めたりするような言葉をタイの人々は決して口にしませんが、彼等の「微笑み」の本当の意味を推測できる程度の技量は必要です。
特にその事によって、それらの場をアレンジし、取り仕切るEDFスタッフの社会的体面および信用を潰してしまわぬよう注意しなければなりません。あまり肌を露出したりする服装も禁物です。「美と智は外形にあり」がタイのコンセプトとのことで、日本の最新ファッションや猥雑なプリントシャツも現地では奇天烈で、先進国日本から来た研修ドナーには相応しくないものと彼等の目に映るだけです。炎天下に汗だくになりながらも決してネクタイと上着を離さないタイの紳士を何度も目にしました。
また、口髭は容認されますが、顎、頬髭はタイでは歓迎されません。単に清潔感を欠き、老人であることを強調するシンボルと受け取られます。また、それが女性を魅了することも決してありませんし、どのような場合でも良い効果を生むことは考えられません。私も実は出立前に泣く々総ての髭を落として出かけました。
なお、蛇足ですが交歓会や食事会の時には黒い服は禁物です。黒は「死」の色で、不吉なものとして祝い事やパーティー、セレモニーには不向きです。喪に服しているタイの人でもそのような場合は服の色を変えて出席するとのことです。特に女性は葬儀(黒のワンピースまたは白のブラウスに黒のスカート)以外には黒服は用いないお国柄です。唐突ですが、タイ女性の服装の色彩感覚はとてもナイスだと個人的には思います。
タイでは訪問先(県庁、学校、村)にては必ずセレモニー(式典)があります。歓迎
の言葉や挨拶、記念品交換、記念撮影などですが、タイの人々は普段から種々の式典には場慣れしているのか弁舌爽やかです。言うまでもなく我々は通訳を介してそれらを聞くことになりますが、非常に話し上手であるとの印象を受けました(勿論その通訳技術も素晴らしいのですが)。個人的に日本は「記述文化」であるのに対して、タイは「口述文化」であるとの印象を強くしました。なお、我々からの挨拶、スピーチは研修経験の豊富な、あるいは年輩の男性ドナーの方が代表して述べることになりますので、もし貴方がこれらに該当しなければ心配はありません。しかし、もし該当していれば...。
学校や村訪問に留まらず、至る所でワイ(合掌)による挨拶を受けます。私も最初はやたら滅多にワイを送ったり、返したりしていました。これは後に通訳のEDFスタッフにお教わった話ですが、ワイにはやはりある程度の規則があるとの事でした。以下にそれらを思いつくまま列挙してみます;

他にもあったかも知れませんが憶えているのはこの程度です。もし、間違っていたり、足りないところがあればお教え下さい。研修団ドナーは村の人々、学校の生徒にとってはVIPですので注意が肝要です。独断的かも知れませんが、研修参加ドナーは恐らく学校の先生(日本の戦前の先生レベルで高い)と同じか、あるいは少し上程度の社会的ステータスにあるとみなされるのだと思います。ただし、行政職のお役人、校長先生あるいは村長では、特に高齢であれば明らかに上ですし、また、こちらがそう振る舞うことで彼等の社会的体面も保たれるように思います。
奨学生の村では民泊になります。ドナーは約10名づつに別れ、翻訳や民際、EDFス
タッフ共々別々の村に滞在することとなりますが、それぞれの村によってイベントは多少異なります。また、更に2、3人づつに分かれて一軒の家に逗留させてもらいますが、滞在中は村人、奨学生、学校の先生達との交歓が2泊3日(5月の研修では2つの村に1泊づつ)に渡って行われます。村および学校の状況視察見聞、歓迎交歓会、招魂聖糸儀礼、僧侶への喜捨、野良仕事実習(体験学習兼ハイキング)、自由時間など長いはずの3日間は瞬く間に過ぎて行きます。
私の場合、1998年の研修のおり、自分の奨学生の家に滞在するという幸運に恵まれたのですが彼等の気の使い方は尋常ではなく、多少窮屈に感じた3日間でもありました。しかし、より親密に自分の奨学生(女子)に接する事が出来たと同時に彼女の家族や村の状況をより詳細に知ることができた貴重な機会であったと感じています。
この時期のイサーン地方は日中はかなり暑いのですが朝夕は結構肌寒く、支給される薄い綿毛布と蚊帳のみにての「板の間雑魚寝」は慣れない日本人にはかなり堪えます。マット、枕などの夜具はかさばる為か、運搬持参できない場合が多いようです。夜間は冷えますし、板壁は仮に存在(?)しても隙間だらけですので厚着(要セーター)にて就寝する以外対処のしようがありません。私も滞在中はなかなか安眠できず慢性寝不足状態でした。次の機会にはかさばらない夏用の寝袋、空気枕を持参しようと思っています。
5月の研修は未だ経験ありませんが、11月の研修は乾期に当たり、風土病であるマラリア、デング出血熱(ハマダラ蚊と熱帯縞蚊で媒介)の心配はまず不要と思います。しかし、吸血昆虫は少なくはなく、虫忌避剤、蚊取り線香は必須ですし、特に蚊が活発化する夕方にはあまり肌を露出しないに越したことはありません。ちなみに東南アジア方面のマラリアはクロロキン(抗マラリア剤)耐性ですので、副作用や発症頻度、滞在期間などを考慮すると他の予防薬を含めて服用する必要はないように思います。むしろ万が一、帰国後(8〜30日以内)に発熱、筋肉痛、関節痛などの自覚症状(インフルエンザ様症状)がでた場合、単なる「疲れ」や「風邪」と軽視せずに専門病院へ相談することのほうがより重要と思います。
また、日本と異なり、タイの犬には近寄らない方が懸命です。狂犬病予防処置はまず施さ
れていません。感染した犬は別に狂暴(狂犬)化しているわけではなく、ごく普通に見えます。また、タイでは野犬が多く、彼等は群にて行動します。昼間は暑さでだらけていますが、朝夕には活発に行動します。時として(特に弱そうだと察知されると)人を威嚇し、襲います(らしい?)。路上で犬に吠えられ、不安を感じたら早めに石でも投げつけ追い払った方がよいと思います(しかし、玄関前の番犬には吠えられても...)。餌を与えるのは火に油です。バンコクの裏路地などでも多くの野犬が群で彷徨いしていますので近寄らぬよう注意が肝要です。私も一人での路地散歩(趣味?)のおりには、ポケットに数個の石を拾い、忍ばせておきます。バンコクの路地では玩具のマメ鉄砲を携帯し、犬めがけて発砲威嚇し追い払っている現地の人を2、3度目撃しました。感染、発病に至ればマラリアやデングよりも遥かに致死率が高く、危険な病気との認識が必要です。
村での食事は我々客人用に「辛さ」を抑えた普段では出ないような御馳走が各家々で用意されます(しかし、それでも辛〜い!)。また、各家々での食事時には、我々が食べ終わるまで彼等は手を付けません。それがタイ式の接客慣習なのでしょうが、昼食代無しで登校し、水で空腹を癒す子が少なくないとの話を聞いており、普段食べられない御馳走を前にした正直な子供達注視の中ではなかなか食べづらかったのが本音です。
日中は汗ばむほど暑くなるため、彼等は一日最低二回(朝夕)は水浴びをします。我々も盛んに勧められますが、それに応えるには勇気と決断が必要です。付き添いスタッフからは極力断らないようにと念を押されているため、最低1度(夕方)は浴びねばなりません。断ると日本人は不潔(?)と思われます。水は大きな瓶に溜められており、上水道の無い村では雨水などを溜めて使っていました。決して清潔な水ではなく、かつ驚くほど冷た〜いので浴びる際にはエイヤッ!と気合いが必要です。水浴び場は逗留する家によっても異なるでしょうが屋外にある場合もあり、腰(胸)にタオルを巻き付けて瓶の陰での行水です。ご心配なく。タイの人達は決して覗いたりはしません。
トイレは屋内にありますが、やはり瓶の水を使い、便器とお尻の洗浄に用います。とても清潔です。地中には素焼きの大きな瓶が埋められており、浸透式自然浄化槽方式(Cesspool
方式)だそうです。トイレットペーパーはEDFによって用意されますが、便器に流すことは出来ません。もし使うのであれば、大切に(?)持ち帰って焚き火にでも投げ入れましょう。また、便器に物(時計、小銭入れなど)を流すと回収不能!ですので、使用前はポケットの中身は総て出しましょう。
ちなみに飲料水はEDFによってミネラルウオーターおよび氷が用意されますし、ホテルの冷蔵庫にも無料のミネラルウオーターは常備されています。他の水は飲まないほうが無難です。歯磨き、うがい、コンタクトの洗浄などにもこの水を使います。また、熱いお茶やコーヒーなども飲む習慣がありませんので、普段使わない熱湯の用意は村人に余計な負担をかけることになります。必要な方はバンコクあたりで缶入りのもの、あるいは水にも溶けるインスタントのものを探されると良いかも知れません。
日中は温度が上がり、行動中は喉が乾きます。そのため、ホテル常備のミネラルウオーターの小瓶を携帯するドナーが多いのですが、スポーツドリンク(ポKリスエット、エネルGンなど)の粉末を持参して溶かして飲料水として使用すると重宝します。特にご高齢のドナーにはお奨めです。また、万が一お腹をこわした際の電解質補給にも有用です。
男性ドナーでは夕刻、あるいは食事時に村の「父ちゃん」「兄ちゃん」達からお酒(ラオかドブロク)を勧められることが多く、会話もままならない為か断れずについつい飲み過ぎるドナーが多いとのこと(積極的に飲み過ぎる?ドナーも個人的には何人も知っておりますが)。民際付き添いスタッフも村滞在中は一番気を使う事とか?ビールは度数も低く、値段も高いので、強くて安いラオ酒か自家製のドブロクが振る舞われることが多く、事情を知らずに「一気飲み」に走ると危険です。昨年も青少年ドナー二人が村の若者に日昼から宴会に誘われ、ラオを飲み過ぎて酩酊してしまい、ちょっとした騒ぎになりました。
タイは美味しい果物が豊富に出回っています。時期にもよりますが、日本では味わえないものが多く、この機会に試されると良いと思います。出来れば、皮の剥いていないものを購入されると衛生上も良いと思います。日本への持ち帰り情報は別ページに掲載しました。
村の朝は早く、三、四時頃にはニワトリが、次にアヒルの鳴き声とイヌ同士の喧嘩、それに続いてお寺の梵鐘が鳴り始めます。村人も五時前には起きはじめ、焚き火を起こし炊事の準備にとりかかります。あまり寝坊も出来ないので、六時には起床です。村での就寝時間も九〜十時頃ですから睡眠時間は計算上充分です。しかし、私の場合は聞き慣れないヤモリ(トッケー)の鳴き声、寒さ、そして寝苦しさ(板場の為)から連日寝不足でした。ともあれ、瓶の水での朝の洗顔です。村人は托鉢僧のための食事を準備しています。
6時半〜7時には托鉢のための僧侶が村内を巡って回るため、寝ぼけ気分(人によっては二日酔い?)で道端に立ち、僧侶の抱える容器に村人の用意した食べ物の喜捨(タンブン)を行います。同時に僧侶がお経を詠んでくれる時もあるそうです。また、村人と共にドナーがお寺まで出向き、僧侶に食事を振る舞い、供物と寄付(寺増築費)を喜捨し、お経をあげて頂いた場合もありました。僧侶がわざわざ村まで出向いてこられ、我々研修団の無事な帰国を祈って読経をしてくれ、同時に喜捨を経験したこともありました。小さな村でも規模はまちまちですが必ずお寺はあり、村人の日常の精神生活には仏教と僧侶が必要不可欠であることを肌で実感いたしました。
ご存知の通り、イサーン地方は太古の昔は海(大きな湾)であったため塩水が地中に閉じこめられ今でも地下深く大量の岩塩、塩類土が眠っています。そのため、栽培できる作物は限られ、ウルチ米は育ちません。貧しいイサーン地方の主食が塩害に強いモチ米であるのはそのためです。従ってタイでは、モチ米は貧困層の食べ物との観念が定着しているのだそうです。潅漑施設はお粗末で、乾期には田圃は干上がっています(もっとも収穫直前でしたのでそれで良いのかもしれません)。また、面積当たりの収穫量も日本のそれとは比べものになりません。素人が見てもおそらく1/2〜1/3程度でしょうか?そんな田圃での収穫実習(稲刈り)も経験します。勿論手刈りで、稲の上部1/3程を刈り取りますが、農業技術は未だ大いに改良できる余地があるように思えます。恐らく戦前日本の農業レベルでしょうか?いずれにしても痩せ痩(こ)けた土地と渇水がイサーン農業のイメージとして脳裏に焼き付きました。
昨年訪れたやや北方イサーンの山間部の村では、唐辛子栽培の村でした。その村では状況は更に悲惨で、米の栽培すら一部の土地に限られる環境でした。赤土の斜面に植えた唐辛子は現金収入のため、その他の自給および収入作物としてキャッサバ(タピオカの材料)の栽培を行っていました。キャッサバは甘さを抑えたサツマイモのような味のする京イモのような形の根菜ですが、痩せた土地でも良く育ち、収穫時期を選ばないなどの長所がある反面、土地の栄養を吸収しつくしてしまい、結局痩せた土地を更に荒廃させてしてしまう欠点があります。実際、村の周囲は荒れ地が目立ち、適切な農業指導が未だ充分に行われていないように思われました。
最近ではプミポン国王の推奨(Royal
Project)もあり、イサーンでも有機循環潅漑施設が増えているそうです。溜め池がそれです。池の側には家畜小屋があり、池には魚(テラピア、ナマズなど)が養殖されています。池の周囲には果樹や野菜が植えられてあります。ご想像の通り家畜の排泄物も魚の餌になりますし、その魚は我々お客の御馳走に変わります。魚はまた、肥料の一部としても使われることがあるそうです。雨期には水を溜め、乾期には水源として有効に農業に利用されます。今の日本では山里ですら見られなくなった一種のリサイクル農業(養魚業)といえます。ちなみに、溜め池は村全体の所有ですので村人の共同意識育成にも一役かっているとのことです。
ある時、日本人は刺身を食べると知っている為か、村での食事時に溜め池の新鮮生魚ミンチを勧められた事がありましたが、昔見た寄生虫の標本姿が脳裏に浮かびさすがに丁寧にお断りしました。しかし、花粉症のドナーは試してみる価値があるやもしれません。
自分の奨学生との研修中の面会、面談は予め希望を出していれば、現地EDFで総てアレンジしてくれ問題ありません。訪問した県、隣接した県の奨学生に関しては中学校の先生が付き添われ、適当な広さの会場(学校、ホテルなど)にて集団面談が設定されます。彼等の移動経費は勿論ドナーが別途支払います。しかし、遠隔地在住の奨学生でもせっかくタイ訪問を機会に、やはり会ってやりたいと想うのは親心(ドナー心?)ですし、彼等も同じ想いにあると信じます。実は、民際ではそのような希望のあるドナーには別途の機会をアレンジしてくれます。私も昨年の研修にて、訪問した地域とは3県程(約400km)飛んだ県の奨学生との面談をアレンジしていただきました。
私の場合、本来の村での研修を終え、研修の一行とは離れて教育委員会の先生の運転する車に乗り込みました。猛スピードの車に揺られること4時間半で目的の地に着き、その後、県教育委員会の別室にて私の奨学生2人との感激の面談が叶いました。当日は現地ホテルに宿泊し、翌早朝にやはり別の先生の運転にて地方空港へ向かい、その日のうちにバンコクにて研修の一行と合流できました。
なお、これらに要した経費(レンタカーとガソリン代、ホテル宿泊費、会食費、航空料金、謝礼など)は研修経費とは別件になるため、現地にてEDFへ支払わねばなりません。総てで1.6万円弱の出費でしたが、日本での経費のことを考えるならば思いの外経済的であったと思われます。
他の研修ドナーでもバンコクの滞在ホテルへ既に卒業した奨学生が面会に来たり、ま
た、待ち合わせにて市内で面会したり、あるいは研修日程前後に奨学生の住んでいる地を研修とは別の旅行にて単独で訪れたりと、公式面談以外にも多くの事例があるようです。このような場合にはドナーと奨学生の手紙による滞在日程の打ち合わせが必須でしょうか?ただ、私の場合もそうでしたが、このような場合には通訳の同行は期待できません。本来の研修とは別途の個人行動になるからです。
タイではバンコクおいてすら英語を解する人は非常に希で、イサーンではまず諦めねばなりません。若い人達では学校で学習するためか英語を多少理解する人もいますが、恥ずかしがってか、なかなか喋ってはくれません。タイ語の通訳スタッフが神様、いや、女神様、弁天様、菩薩様に思える研修旅行と奨学生面談です。
1)「カルチャーショック03、タイ人」R & N クーパー著、河出書房新社
2)「東南アジアの歴史」永積昭著、講談社現代新書
3)「人々のアジア(民族学の視座から)」中村尚司、岩波新書
4)「タイ(開発と民主主義)」末廣昭著、岩波新書
5)タイ王国&ラオス人民民主共和国地図URL:テキサス大学図書館
http://www.lib.utexas.edu/Libs/PCL/Map_collection/Map_collection.html
6)成田空港案内;
http://www.narita-airport.or.jp/airport/
7)タイ、マヒドール大学;
http://www.mahidol.ac.th/Thailand/glance-thai/wai.html/
8)岡山大学マラリアネット;
http://malaria.himeji-du.ac.jp/IPublic/malaria-net-j/general/insect-repellents.html
9)アジア光俊HP;
http://www.linkclub.or.jp/~asia-mit/foods/sake/sake.html
10)資源作物見本園;
http://kws144.narcb.affrc.go.jp/mihonen/CROP12.html
11)喜庵−参加してみた海外協力NGO
http://www.asahi-net.or.jp/~CE7H-NKMZ/Minsai/triplist.htm
12)t-thai(定退)
http://www.roy.hi-ho.ne.jp/hisashi-aoki/t-thai.htm
13)タイ政府関連「ローヤルプロジェクト」
http://kanchanapisek.or.th/kp12/english/main.htm
14)「トッケー」に関する知識
http://www.ne.jp/asahi/pasar/tokek/AboutTokekJ.html
http://www.est.hi-ho.ne.jp/aoao/4-22.htm